どうしてアメリカはこういう素晴らしい青春映画を作り出し続けることができるのだろうか?監督、脚本のエリザベス・バンクスはこの作品を監督した当時は30代。前作を脚本したケイ・キャノンと同じ年齢だ。二人は共同して脚本作業に当たったらしい。
ベッカの等身大の世界観は、ケイ・キャノン自身が経験してきたものなのだろう。そこから派生してキャラクターを設定していったらしいが、ファット・エイミーは典型的なコミカルでアクセントをつける役だし、クロエのブリタニー・スノウの優等生的な役所も別段目新しさはない。かつて一世を風靡した「ビバリーヒルズ青春白書」と共通するのは、青春時代の葛藤、恋愛、自立をテーマだ。
「ビバリーヒルズ青春白書」や「ハイスクールミュージカル」など、タケノコのように青春映画が作られてきたから、”等身大”の青春の葛藤を描くだけではなかったということだ。むしろドロドロしたドラマになって自滅するシリーズが多かった。見ていても重苦しくなったシリーズが多い。ピッチ・パーフェクトでもピッチ・パーフェクト2でも、続編の3でも、ケイ・キャノンが書いたのはバラバラな個性が一つに繋がることの素晴らしさだ。それをありきたりのレストランやカフェやバンド活動ではなく、美しいアカペラで紡いだ。美人揃いの女優が歌う美しいアカペラに乗せて物語が進むミュージカル形式で、小気味よかった。
こういうのはメディア大手が黙っていない。そもそも世界中にファンがいるし、音楽は素敵だし、クロエもベッカもエイミーも、世界大会の様子も、そのままでもたのしめるのだから、なんでも応用できる。
たとえはスロットだ。日本のオンラインカジノは違法だが、日本からオンラインカジノを遊ぶことは違法にならないので、ジャックポットシティのようにかなり人気が広がっている。ジャックポットシティとかをのぞいてみると、人気ドラマシリーズがカジノのゲームとか、スロットマシーンになっていた。やけに古いナイトライダーとか、24時間とか、Xファイルとか、どれも日本でヒットした海外ドラマだ。
こういうタイアップがうまくいくのは、スロットが昔のギャンブルとはかなり変わっていて、「ストーリー性」が楽しめるようになっているからだ。ピッチ・パーフェクト2のスロットがあるとすると、例えばあたりが出るごとにメンバーが再結集していくとか、アカペラが流れたりする。世界大会のシーンがムービーで流れる。大音響でCupsが流れながら、ジャックポットが始まり、フリースピンでどんどん世界大会のシーンで勝ち進む。
ようするにスロットという媒介を通した、ドラマの楽しみ方の一つになっている。この辺りの詳しいことはジャックポットシティとかを読むと日本のオンラインカジノの状況とか日本でオンラインカジノを遊ぶ方法とかが詳しく載っている。